イーゼルのセットアップ by 新島誠

★ 新島誠氏(www.mniijima.com)よりご寄稿頂きました。

イーゼルのセットアップ
ある同一のフィルム・フォーマット(例えば35mmとか、ブローニーならば6X7とか、6X6とか、6X4.5とか)のネガを、同一サイズの印画紙にプリントしてゆく場合、全ての写真で印画されるサイズと位置が決まっていると(=余白のとりかた)、とてもキレイに感じますし、丁寧な作業というものを印象づけることができるように思えます。また完成作品としてブックマットに挟む場合でもオーバーマットの窓の開け方をいつも同一にすることができます。

今回は4枚羽根を持つユニバーサル・イーゼルを使って毎回同じ位置に印画する方法を紹介したいと思います。

まずは未処理の印画紙を1枚用意し、定着だけ施し、水洗・乾燥させます。バライタの場合はきちんとフラットニングをし、ピンと真っ平らにさせるのが理想的です。現像していないので、この印画紙は真っ白けです。

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この真っ白印画紙上に印画させたい位置を、きちんと定規で測り、ボールペンなどでガイドのラインを引きます。
これはフィルム・フォーマットごと、そのフォーマットの縦横比を尊重し、その縦横比のまま印画させる人は、それぞれのフォーマットごとガイドを作ることになりますね。例えば35ミリ用・縦横2:3のガイドを引いた紙と、6X7用の6:7のガイドを引いた紙など(もちろん1枚の紙に、何組ものフォーマットのガイドを引いても良いのですが、あまり煩雑になるとゴチャゴチャになりますよ。)を用意します。

僕が6つ切印画紙(8X10インチ)を使用する場合、35ミリ・フォーマットからは6X9インチ、6X6フォーマットからは6インチ・スクエアになるようガイドを引いています。

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まずは、このガイド紙をイーゼルにセットするのですが、紙をセットするところのスリットは紙幅より若干広めにできています。そこでセットの際は、どちらか片方に寄せるよう習慣づけるとよいです。僕はスリット左端に寄せるようにしています。

下の画像のようにガイド紙の左上にマーキング(矢印)をしています。この角を常にスリットの左端に寄せて紙をセットするのです。

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もちろん、矢印などついていない本番印画紙も同じようにセットするのですよ。理由は解りますね。

ガイド紙をイーゼルに乗せたら、ブレード枠をおろし、ガイド線に沿ってブレードを合わせます。

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ブレードはなかなか厳密に真直ぐにはなってくれないようですので、ブレード同士が直交する部分をパーマセルテープで固定します。

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きちんと直角が出ているか、さらに三角定規をあてて確認してできあがり。あとはイーゼルのブレードに合わせて引伸ばし機の倍率とピントを合わせましょう。

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日頃ほとんど同じ印画紙(サイズ)を使っていらっしゃる方なら、作業後も固定したブレードをそのままにしておいても構わないと思いますが、なにせ固定箇所はテープで止めているだけですので、プリント前は毎回ガイド紙を乗せ、ズレていないかどうかを確認すべきでしょう。

レンタル暗室を利用されている方の場合、イーゼルはあらゆる方々が使用していますので、ブレードの直交性にも不安があります。是非自分専用のガイド紙を1枚つくり、毎回持ち込んでイーゼル・セットすることをお勧めいたします。貼ったパーマセルテープは使用後剥がして帰りましょうね。後から使う人のために!

今回は4枚羽根のユニバーサル・イーゼルでのセット法を紹介しましたが、2枚羽根イーゼルでの方法も後日ご紹介いたします。こちらは多少加工が必要になる予定です。

新島誠氏のサイト “Sound Of Silence” もあわせてご覧下さい。

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