Sandy King’s Pyrocat-HD Film Developer
フィルム現像液はあれこれ試しましたが、もっとも衝撃を受けたのがコレ、という感じです。
2010年現在も、ボクはPyrocat-MCを主力のフィルム現像液にしています。
高い鮮鋭度、滑らかな階調再現、優れた粒状性。感度も比較的得やすいです。
現像ムラも発生しにくく、希釈率をあげて静止現像、半静止現像などにも利用出来ます。
2液保存で、使用直前に希釈混合します。
保存液の量が少ないため計量も困難で、慣れない方の自家調合はちょっと難しいかも知れません。
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Pyrocat-HD (A) 保存液100ミリリットル
水(蒸留水) (50℃) 75 ml
メタ重亜硫酸ナトリウム 1.0 g
ピロカテコール 5.0 g
フェニドン 0.2 g
臭化カリウム 0.1 g
水を加えて総量 100 ml
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Pyrocat-HD (B) 保存液100ミリリットル
水(蒸留水) (50℃) 75 ml
炭酸カリウム 75 g
保存液Aのフェニドンは 2.5gのメトールで置き換えても可とされています。 その場合は若干感度が低下するようです。
※ 最初に紹介した時からは保存液Bの内容が若干変更になっています。
※ 保存液Aの臭化カリウムは当初0.2gとされていましたが、2006年02月に作者のSandy King氏が0.1gへの変更を発表しました。
標準的な現像は「保存液A:保存液B:水」を1:1:100の希釈率として使用します。
比較的現像時間が掛かる処方なので、1:2:100として現像力を上げることも出来ます。
現像ムラが発生しにくいので、1:1:200の希釈率で静止現像などにも利用出来ます。
Pyro染色現像では中性~アルカリ性の定着液が推奨されています。
作者のSandy King氏はその後、Pyrocat-M、Pyrocat-Aという新処方を発表しました。
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Pyrocat-A (A) 保存液100ミリリットル
水(蒸留水) (50℃) 75 ml
メタ重亜硫酸ナトリウム 1.0 g
p-アミノフェノール 0.5 g
ピロカテコール 5.0 g
ヨウ化カリウム 0.1 g
水を加えて総量 100 ml
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Pyrocat-M (A) 保存液100ミリリットル
水(蒸留水) (50℃) 75 ml
メトール 0.25 g
メタ重亜硫酸ナトリウム 1.0 g
ピロカテコール 5.0 g
ヨウ化カリウム 0.1 g
水を加えて総量 100 ml
保存液Bについては、共にPyrocat-HDと同様です。
希釈率などの使い方も同じ。
※更に進化は続きます・・・。
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Pyrocat-MC (A) 保存液100ミリリットル
水(蒸留水) (50℃) 5 ml
トリエタノールアミン(TEA) 0.8 g
メトール 0.25 g
アスコルビン酸 0.4 g
ピロカテコール 5.0 g
プロピレングリコールを加えて総量 100 ml
メトール+アスコルビン酸の組み合わせでパワーアップした新Pyrocat。
Pyrocat-HDのSandy King氏と、PC-TEAなどの処方で知られるPatrick Gainer氏が共同提案した、染色能力、保存性、現像力に優れた新処方です。
(Photographer’s formularyから発売中)。
メタ重亜硫酸ナトリウムを廃し、その代わり保存性を高めるため水ではなく、プロピレングリコールで保存液を作ります。
最初に少量の水とトリエタノールアミンを使うのは、メトールなどをプロピレングリコールに溶くためのテクニックのようですね。
保存液Bについては、Pyrocat-HDと同様です。
希釈率などの使い方も同じ。