フィルム現像時攪拌のバリエーション

フィルム現像の説明において、つねに曖昧さが伴うのが攪拌。
現像液の銘柄、希釈率、温度、時間などはある程度明確に示されるものの、攪拌についてはどうも「普通」とか「控えめ」とか曖昧な表現ばかりで、自分のスタイルがまだ固まっていない初心者にとってはある種の素朴な疑問になっているばかりでなく、ある程度経験を積んだ人でも「攪拌と言えばコレ」という通り一辺倒な処理になってしまいがち。

普通、攪拌の方法やタイミング・攪拌量などは最初の頃に覚えた方法に従うものだと思うけれど、それは最初の頃に使ったフィルムや現像液の種類(メーカー)によって決まってくるのではないかと推測してます。
例えば、富士写真フィルムの製品でフィルム現像を覚えた人は、富士の説明書きにある方法に従ってやってるんじゃないかな。
富士の示す方法は次の通り。

    「現像ムラを防ぎ、均一な仕上がりを得るために最初の1分間は連続かくはんを行い、その後は、1分ごとに5秒間かくはんを繰り返してください」

一方、ボクがそうでしたが、イルフォード製品で処理を覚えた人はイルフォードの説明書きに従って「1分ごとに10秒間で4回の倒立攪拌」というのを標準にしているのではないでしょうか。
また別の人は30秒ごとに5秒とか、30秒ごとに2回の倒立攪拌とか、標準とする攪拌方法って結構さまざまあるんですよね。
有り体に言えば、俗に「一般的な攪拌」と言われている方法ではそうそう大きな違いは出ないのだけれど、ちょっと気になることは気になる。

そうそう大きな違いは出ないと言っても、攪拌というのは決して軽視していいものではありません。そこでまず最初に、なぜ現像中には攪拌が必要なのかを考えてみましょう。

先ほどの富士写の説明書きに「現像ムラを防ぎ均一な仕上がりを得るため」とあったように、攪拌は現像ムラ防止のために行われるます。
まず最初、現像開始時ですが、つまり現像タンクに現像液を注入する時には、言うまでもなくタンクの下から現像液は溜まっていきますね。
当然、フィルムはタンクの下の方に位置する部分から現像液に触れ、現像がスタートするわけですれど、現像直後は現像液が<初めて>フィルムの乳剤層に染み込んでいく時間帯ですから、ここでの攪拌はやはり重要で、出来るだけ均一な所要時間でフィルムの各部に現像液が染み込むよう、現像開始後30秒間とか1分間の連続攪拌が推奨されていたりします。
さらに、フィルムは渦巻き状のリールに巻かれていてその隙間は狭く、そこに気泡(アワ)が出来やすい。それをそのまま放置すると、気泡がある部分のフィルムは現像液に触れることが出来ませんから、悲しいかな現像されない。気泡ムラと呼ばれるモノで、これを防止するために現像液注入後にタンクの底をテーブルなどにカンカンと打ち当てて、その衝撃で気泡を取り除くのはご存じの通りです。
気泡には浮力がありますから、とっとと浮かんで消えればよいものを、表面張力でフィルムの表面に付いている。もともと気泡が出来るのは表面張力があるからなんですが、カンカンっていう衝撃でそれを打破してしまおうというわけ。
しかしそれだけでは不十分で、発生しているのではないかと思われる気泡を完全に取り除くためには、フィルムを現像液の中で十分に動かしてやる必要があります。実際には、フィルムを動かすと言うより現像液を動かすわけなんですが、要するに、個体のフィルムに対する流体の現像液の相対的移動。流圧で気泡を押し流してしまおうというわけです。
でもまぁ、ボクの私見ですけど、現像液投入後の連続攪拌が1分間も必要だとはとても思えませんね。勿論これは、フィルムによって異なるのは間違いないわけで、乳剤層の厚いトラディショナルタイプのフィルムの方が、薄層フィルムより長い時間が掛かるだろうし、フィルム自体に現像ムラ防止を意図した界面活性剤が仕込まれているフィルムもありますから一概には言えないですけど、現像ムラの防止を目的とするのであれば、長くても30秒あれば十分なのではないかという気がしますね。

さて、現像というのは、現像液中の薬品とフィルム上の金属との化学反応なわけです。ものすごく端折って言うと、<ハロゲン化銀を還元する>という事になります。
現像液中の薬品がハロゲン化銀を<還元する>と、同時に、薬品の方は<酸化します>。<酸化>と<還元>、なんか昔、学校で聞いたことがあるような無いような言葉ですね。
詳細は思いっきり省くとして、酸化した薬品はもう、ハロゲン化銀を還元できません。現像液が疲弊したという事です。しかし、この時<疲弊した>と言えるのは、<いま、そこで、ハロゲン化銀を還元した>薬品なのであって、現像タンクの中の現像液が全部そっくり一度に疲弊するわけではありません。フィルムと接触している、<いま、そこで、疲弊した>薬品の周囲には、まだ疲弊していない現像液が控えています。控えの交代選手がたくさんいるわけです。
撹拌によって、疲弊した現像液をフィルムの表面から押し流し、疲弊していない現像液と入れ替えてやれば、続けてどんどん現像できる、というわけですね。
ちなみに、まったく撹拌しないと、まったく現像液は入れ替わらないかというと・・・それでもゆっくりとですが現像液は入れ替わって行きます。これも学校で聞いたことがあるような気がする<ブラウン運動>ってやつを引き起こす熱運動です。溶液の中の薬品の分子は、同じ所にじっとしてはいないのです。
ただしとてもゆっくりなので、撹拌するのとしないのとでは、あるいはマメに撹拌するのとたまにしか撹拌しないのとでは、同じ現像時間での現像量は大きく変わります。
例えば同じ8分間の現像時間でも、1分ごとに10秒の撹拌を行うのと、8分間ずっと撹拌し続けるのとでは、べらぼうに現像結果が異なります。すごく分かりやすくは、

    A)現像する=疲弊する、疲弊してる疲弊してる疲弊してる疲弊してる疲弊してる、撹拌する=入れ替わる、現像する=疲弊する、疲弊してる

    B)現像する=疲弊する、撹拌する=入れ替わる、現像する=疲弊する、撹拌する=入れ替わる、現像する=疲弊する、撹拌する=入れ替わる

みたいなことですね。
先の、現像開始後の最初の撹拌についてでも、イルフォード式の初回から10秒攪拌と、富士フィルム式の60秒攪拌では、現像時間全体が例えば8分とかだったら、そのうちの1分についてほとんど撹拌していないケースと連続撹拌しているケースになるわけですから、全体の現像量にも大きな違いが出ることが当然推測されますね。
ひとくちに現像時間8分と言っても、攪拌方法の標準化がされていない限り、汎用性のある情報とは言えなくなってしまいます。
製品の資料や人が言ってる現像時間は、厳密にはあくまでも参考値であって、最後は自分で詰のテストをしないとダメなわけですし、自分は自分でパターンを持ってなくちゃいけませんね。

ボクは原則的にイルフォード方式の攪拌サイクルを採用しているのですが、個人的なメモとして現像後のネガの余白部分にマジックで「NA」と書いていて、他には「MA」「SS」といったパターンがあります。ボクはあまりやっていませんが、強いて言えば「S」というのもあるでしょう。
いずれもボクが個人的に使ってる略称で、広く普及している標準ではありませんのであしからず。

NA = Normal Agitation 標準攪拌
標準的な攪拌方法。 現像液投入後、約10秒間で4回の倒立攪拌。 以後、計時開始から1分経過時、2分経過時と、1分毎に同様の倒立攪拌を4回。

MA = Minimum Agitation 最少攪拌
現像液投入後、計時開始から30秒経過時まで連続して倒立攪拌。 以後、計時開始から3分経過時、6分経過時と、3分毎に4回の倒立攪拌。
シャドウディテールを引き出しながらハイライトを抑え、見かけ上のシャープネスを向上させるための現像方法です。 大雑把ですが、NAの1.3~1.5倍程度の現像時間が掛かります。
効果の出方は別として、たいていの現像液とフィルムの組み合わせで実行可能です。

SS = Semi Stand Develop 半静止現像
現像液投入後、計時開始から1分経過時まで連続して倒立攪拌。 全現像時間の中間時点で30秒程度連続しての倒立攪拌。
MAをさらに押し進めたもので、ボクは高感度フィルムで時々使っています。 例えば40分の現像時間の場合、現像開始後と20分経過時にだけ攪拌するという意味です。
どんな現像液でも実用的な現像が出来るわけではありません。

S = Stand Develop 静止現像
現像液投入後、計時開始から1分経過時まで連続して倒立攪拌。 以後は一切攪拌しない。
これが通用する現像液・フィルムの組み合わせというのは当然あるでしょうが、放ったらかしの現像方法なので楽と言えば楽ですね。 長時間に渡っての温度管理は大変なので、大抵は室温に放置です。
SSも同様ですが、1時間を超えるような現像時間ですとカブリがかなり顕著になりますので、現像液のカスタマイズが望ましいです。

    「静止現像」について、どうも勘違いされている方が少なからずいらっしゃるようなので加筆しておきますが、ここで言う、あるいはボクが言う「静止現像」というのは、他の現像メソッドとかなり異なります。
    撹拌についてだけ言えば、「静止現像」は最初を除いて撹拌しない、という点で他の現像メソッドと異なります。撹拌しませんから、現像液の入れ替えがゆっくりとしか行われず、結果として現像時間はかなり掛かります。補完現像効果を期待できる現像液であれば、その効果を得られます。というように「静止現像」捉えていらっしゃる方が多いのかな、と。
    しかし、もうちょっとラディカルに、そもそものコンセプトが違うんですよね。
    現像の調整について、フィルムの現像と印画紙の現像で根本的に異なるのは、印画紙の現像が<現像しきれるまで現像する>、つまり露光量に応じた現像結果を目指しているのに対し、フィルムの現像は、露光量だけに応じた現像結果ではなく、現像を<現像しきれるまで>からは<かなり減らして>、現像結果を調整するという点です。この<現像を減らす>という部分の加減を、現像時間や現像温度で調整するのが、ほとんど全ての現像メソッドでの基本です。
    「静止現像」では、現像温度はあまり気にしません。もちろん、化学反応の進行に顕著な影響を与えるような低温や、フィルムやゼラチンに顕著な影響を与えてしまうような高温は問題外ですので、基本的に、いわゆる「室温」に放置です。
    また、じつは現像時間もあまり気にしません。ボクはだいたいいつも2時間ってことにしていますが、3時間でも構いません。
    丸一日とか、あまりに長くなると、フィルムの構造自体が壊れてしまう(乳剤層が剥離してしまったり)のでこれも問題外ですが、2時間のつもりがDVD観てたら3時間になっちゃった、でもあまり気にしません。
    ついうっかり、現像していることを忘れて、朝になって思い出した。2時間のつもりが9時間になってしまった、という経験が複数回ありますが、実はハイライトの濃度は実用の範囲では変わりません。ただ、現像カブリが激しくなるので、2時間で十分なら2時間が良い、という事なのです。
    これがどういうことかというと、「静止現像」の特徴は、他の現像メソッドが現像を<減らす>ことで調整するのに対し、現像タンク中の現像液が(実用的な意味で)<ほぼ全て疲弊し切るまで>現像する、ということなんです。
    温度を極端に下げて現像の進行をごくごくゆっくりにする、とか、1時間なら1時間で切り上げる、とか、そういう話では無いのです。
    ちなみに、ボクが「静止現像」を行うときのお気に入り現像液はアグファロディナル(現在「R09」)です。R09は1+25から1+50くらいが標準の希釈率ですが、ボクは1+200で使います。フィルムによってや、あるいはコントラストを上げたい場合などは1+180や1+150にする場合もありますが、大抵は1+200です。
    標準の希釈率からすると、4倍から8倍に相当する<薄さ>で、ほぼ、一般的なタンクの容量とその中に収めるフィルムの面積からすると、現像できる限界だと思います(だから2時間でも3時間でも変わらない)。
    現像液の処方はいろいろありますので全てに共通のルールはありませんが、原液でも使用する一般的な標準現像液であれば、1+1希釈や1+2希釈くらいはメーカーの推奨にもある使用方法で、1+3になると公式にはサポートしないと思いますが(ボクの好きなあたりの希釈ですが)、実際には1+5や1+6でも現像は可能です。
    これ以上薄めると、時間を3時間にしても4時間にしてもハイライトの濃度が上がって行かない、という希釈率で行うのが、ボクの言う「静止現像」です。

こうした様々な攪拌方法、実際のところは攪拌と攪拌の間の時間を長くする方法が行われるのは、攪拌が現像ムラの防止のためだけに行われるわけではないからです。
現像中には、フィルムに接している現像液は現像することにより疲労して能力を失います。 実際にフィルムに接している、あるいは乳剤層に染み込んでいる現像液は、ある瞬間に限って言えば少量に過ぎません。 それを攪拌によって、タンク内にある疲労していない現像液と入れ替えるわけです。
問題になるのは、どのくらいの間隔で入れ替えを行うか、という事になります。
仮に、30秒で現像液の疲労が始まってしてしまうなら、30秒毎に攪拌すれば常に新鮮な現像液により継続的に現像が行われます。 それを1分毎の攪拌とすると、1分の後半は疲労した現像液がチンタラと効率悪く現像していることになります。
実際には、現像液の疲労は30秒どころかもっと短い時間で発生し始めますので、ずっと連続攪拌し続けるのが一番短い時間で現像を終える方法です。 厳密に言えば、MAやSSなどの攪拌サイクルが長い方法だけでなく、通常の攪拌でも現像時間の大部分は疲労しかけている現像液で現像しているわけです。 この、現像液が疲労している状態の調整が、攪拌の持っている役割の一つなわけです。
疲労しかけていると言っても、明確に現像力が不足するような疲労度合いにすぐさま至るわけではありませんので、以下に述べるような効果は単位容積あたりの現像能力が低い現像液(希釈されているなど)でないとあまり見ることが出来ません。

補完現像効果
というのが正しい日本語訳かどうかは知りませんがcompensating effectと言われる現象で、シャドウとハイライトの濃度差を狭めるものです。
シャドウ部分の濃度を上げるために現像時間を長くすると全体としてネガの濃度は上がりますが、ハイライトの濃度がシャドウの濃度に比べて圧倒的に高くなる(高コントラスト、硬調)になるため、実用的なネガにはなりません。
かといって、現像時間を短くすることで軟調にするというごく当たり前の方法ですと、シャドウの濃度を十分に引き出すことが出来ません。
ただし、コントラストの調整を全体の現像時間のみに頼らず、現像液の疲労具合を利用して調整する事で、いくらかはシャドウ濃度を上げつつハイライト濃度を抑えることが出来るのです。
現像液の疲労はフィルムに接している部分で発生しますが、その疲労具合はシャドウ部分とハイライト部分では異なります。 当然、現像すべき感光したハロゲン化銀が多い部分、つまりハイライト部分では疲労は早く進みます。 言い換えると、同じ時間内であればハイライト部分でより疲労し、シャドウ部分ではあまり疲労しないという事になります。
したがって、攪拌によって現像液が新鮮なものに入れ替えられるまでの間に、ハイライト部分では現像液の疲労によって現像の進行がスローダウンしますが、シャドウ部分では現像が進行しつづけるわけです。 結果的として、中間調を同程度とした場合にはシャドウ部分の濃度が通常の現像方法よりも高くなり、それに比してハイライト濃度の上がり方は低くなります。
シャドウ濃度が上がると言うことは、同程度の中間調濃度とコントラストを通常の攪拌方法で得た場合よりも、実質的なフィルム感度が向上することでもあります。
シャドウディテールの確保とハイライトの濃度上昇を抑えるという両面で、特にコントラストの上がりすぎを避けたい増感現像で活用したい効果と言えます。
こうした現像液の疲労度合いの差をより活用するために、攪拌の間隔を長くするわけです。
また、ある程度は露光量のバラツキを吸収することにもなるので、撮影コマを個別に現像調整出来ないロールフィルムにおいてや、撮影時の露光調整に不安がある時の安全策としても有効です。

境界効果
エッジ効果という言われ方もされる現象にはいくつかありますが、主に明暗の境界部分で発生する現像液疲労の不均衡による、シャープネスの向上が一般的に言われます。
攪拌と攪拌の間の静止時間には、現像液の疲労度がシャドウ部分とハイライト部分では異なってくるため、現像の進行具合に差が生まれるわけですが、大きな視点で見ると補完現像効果のようにシャドウの現像がより進行し、ハイライト部分では停滞することになります。
しかし、シャドウとハイライトの境界部分での局所的な視点で見ると、ハイライト側の現像液が疲労した部分が、シャドウ側の疲労していない現像液を吸引して、逆方向の現像の不均衡が発生します。
それにより、境界部分のシャドウ側では境界線に沿って現像力が不足し、ハイライト側では境界線に沿って現像力が補われます。 つまり、境界線のハイライト側で局所的によりネガ濃度が高くなり、シャドウ側では局所的にネガ濃度が低くなります。
この結果、明暗の境界線がより強調されて見かけ上シャープな画像となるのです。
もっとも、これも理屈上のハナシであって、標準的な現像方法だけをやっているとなかなか目視で確認出来る機会は無いかも知れません。 しかし、高いシャープネスを得るために現像液の処方や希釈率、攪拌に工夫をすると、小フォーマットではやりすぎと言えるほどの影響が出ますし、ボクは4×5などの大判ではこうした境界効果無くしてシャープな描写を得るのは難しいのではないかとさえ思うことがあります。

これらの効果は現像時の攪拌間隔を長くとることでより顕著になってくるわけですが、当然限度もあるはずですしデメリットが上回ることも考えられます。 また必要以上に多くこうした効果を使うと、意図した表現とは異なる結果になる場合もありますから、標準的な攪拌方法に対して最少攪拌法の方が万事において優れているというわけではありません。
また、半静止現像や静止現像では全体としての現像時間が非常に長くなりますので、カブリが発生しやすいというデメリットもあります。 そのため、カブリ防止剤(臭化カリウム等)を加えるなどの工夫も求められてきます。
また、現像液の疲労具合というのは処方によって異なりますので、あらゆる現像処方で同様にこうした効果を得られるわけでもないようです。 補完現像効果の高い現像液としては標準よりも高い希釈率で用いられたアグファ「ロディナル」などが知られていますし、イルフォード「マイクロフェン」なども挙げられます。
なお、シャープネスの向上を狙ってであれば、感度は得にくいですがメトール単用の処方が優れていると言われています。 疲労しやすいメトール単用処方の方が、還元能力のあるMQ処方よりも効果を得やすいというわけです。
MQ処方やPQ処方では現像主薬の還元が行われるので現像液は疲労しにくいのですが、同じように(あるいはそれ以上に)過生成による現像力の増大が得られるPC処方(フェニドン-アスコルビン酸)の方が効果は得やすいとボクは思っています。ボク自身は使っていませんがコダックXTOLの1:3希釈(現在はコダックもサポートしていない希釈率ですが)を推奨する人もいるようですし、富士のフジドールEの1:3希釈ではボク自身も良い結果を得ています。
フェニドン-カテコール現像液(Pyrocat-HDなど)もエッジ効果が非常に強く出るので、最少攪拌法などでのシャープネスの向上を大いに期待できます。