Argentone Polywarmって

ネタとしてはそうとう古い話になっちゃうので、今更なんだけどね。

10年ちょっと前くらいかしらん、Argentoneっていう印画紙のブランドが突如登場して、はにゃ?ってなったのよね。
Argentoneっていうブランド名がカッコいいよねってのもあるけど、製品名が、Polywarm FBとか、Polybromとか。

ぽ、ぽりうぉーむ? ってなるよな、そりゃ誰だって。

で、そのときは、期待というか願望というか幻想というか、人は見たいものを見る、信じたいものを信じるというか、まさかとは思うけどForteの残存勢力なのだろうか、とか思うじゃない。
その頃、アグファの残党が古い設備を動かして新製品を出したり、実際に事例としてあったので、止まったラインはもう戻らないっていうリアリティを受け入れられないというか、欧州の天地は奇怪至極というか、異世界ファンタジーに感情移入しちゃうような、そんな空気感もあったような、ないような。

夢見る少女のボクはワンチャン、Forte生き返った説にちょっとのったよな。

ところで、今あらためてググってみると、近代インターナショナルのHPにあるArgentoneの商品説明に、

世界の写真家に愛用されるハンガリー・旧フォルテの古典的バライタ印画紙

って、思いっきり書いてあるんだよね。
https://www.kindai-inc.co.jp/products/detail/447

ま、当時はそれには気づいてなくて、たぶんヨドバシカメラの通販だったと思うけど、試しに買ってみた。

お、なるほど、良い雰囲気の温黒調で好印象。
これ、2012年の12月。

連絡先は、なるほど、ハンガリーになってるんだけど、当時も今も、ググってもなんにも出ない。
SNSで欧州の識者諸氏に、知ってます?って投げても、聞いたことないってことで。

まぁ、なんにせよ、けっこういい印画紙じゃんとは思ったし、もし本当にForteならすごいよなってことで。

リスプリントを作ってみる。ちゃんとリスできる。

これはいい、もうちょっと買っておこう。

あら、パッケージがちょっと変わったわね。これ、2013年の2月に購入した分。

あれこれやってみてると、なんか妙に馴染みのあるような・・・。

SNSを通して、リスプリントの大家であらせられるTim Rudman御大とWolfgang Moersch氏にも意見をお伺いしたところ、一致した意見は、これ、Fomatoneだよね。

うん、ボクもそう思いました。

結局ね、これわかんないままなのよね。
いや、Fomatoneのリブランド品なことには確信もってるのよね。リスプリントすればよくわかるし、Rudman氏もMoersch氏も同じ意見だったし、Argentoneというブランドそのものを聞いたことないって言ってたし。
そもそもForteが廃業してから随分経ってからのことだったのよね。本当に旧Forteの製品が市場に出てきてたら、少なくとも欧州のリスプリント界隈は沸いてたはずなのよ。

ただ、ネーミングが思いっきりForteに寄せてあったわけじゃん?
それに、近代インターナショナルさんはフォルテですって商品紹介してるわけよね、2023年現在も。
(ってか、在庫あるんだ?)

どうなんだろう?

近代インターナショナルさんはハンガリーのサプライヤーの説明通りに商品説明してただけだと思うけど・・・。

モヤモヤ案件なんだけど、まぁ、モヤモヤしたままでもいいかな、とも思う。
なんか、混乱期の隙間に入り込んできた一瞬の幻想だよね。
すっごく、いまさらそれがなに?って話だしね。

結局のところ、これ、FomaのOEMなんだろうけど、ボクは妙にこのArgentoneっていうブランドが好きなんだよね。
なんでかって、冒頭に書いたように、Argentoneって名前がカッコいいんだよな。ほんと。
印画紙の名前で、いっちばんカッコいいと思うわ。