コダック D-23 微粒子現像液

Kodak D-23 Fine Grain Film Developer
メトールと無水亜硫酸ナトリウムを組み合わせたシンプルな微粒子現像液。 フィルム感度は得にくいものの、コントロールし易い。
計量、溶解とも容易なので、自家調合の入門にもオススメ。 基本中の基本処方であり、希釈による現像結果の変化、現像液の性格の変化など、フィルム現像の基礎を学ぶのに最適ですね。いろいろ遊べますヨ。ボクも一時期これで勉強してました。
Tグレインフィルムよりもトラディショナルタイプに向いていると思います。

    Kodak D-23 保存液1リットル
    水 (50℃) 750 ml
    メトール 7.5 g
    無水亜硫酸ナトリウム 100 g
    冷水を加えて総量 1000 ml

750ml程度の温水を用意し、最初にひとつまみ程度の無水亜硫酸ナトリウムを溶解します。 次にメトールを全量、完全に溶解したら残りの無水亜硫酸ナトリウムと、攪拌しながら徐々に投入し溶解します。

原液~1:3希釈で使用します。普通は原液。
微粒子効果に加えて、メトール単用による補完現像効果でコントラストが上がり難いため、優れた階調再現も期待出来る高画質向け処方です。
メトール単用処方の性格として、フィルム感度は得にくく、出せて公称ISO感度の半分程度でしょう。 1:3希釈ですとかなり鮮鋭度が高くなり、現像時間も掛かりますが感度を得やすくなります。
現像時間テストの目安として、原液20℃、中庸感度フィルムで6分程度、高感度フィルムで8分程度から始めるといいと思います。

シンプルなだけに様々な応用が可能です。 無水亜硫酸ナトリウムの量を減らして鮮鋭度を上げたり、メトールの量を増減させたり。 処方は基本形として、目的にあった改良を加えるのに最適な土台ですね。

コントラストの高い被写体に対して、フィルム感度を失わないまま軟調に現像する方法が紹介されています。

    1分間:D-23にて連続攪拌
    4分間:水にて無攪拌。
    1分間:D-23にて連続攪拌
    4分間:水にて無攪拌。
    1分間:D-23にて連続攪拌
    4分間:水にて無攪拌。
    停止浴無しで定着処理へ