増感現像の基本的なハナシ

「増感」って、なんとも当たり前のように言いますし、ボクもなんの気なしに「増感」って言っていますが、いわゆる「増感現像」ってのは “push processing” の事を指していて、「増感(“sensitization”)」とは違うって事を念のため最初に書いておきましょう。
どういう事かというと、普通に「1段増感」って言ったときには実際にフィルムの感度を1段上げることを意味してはいないっていう話。
現像によって、標準現像でよりもネガ上の濃度を上げるのが「増感現像(“push processing”)」。 それ以前にフィルムの感光力をあげる、あるいは感光したフィルムを現像されやすくするのが「増感(sensitization)」。 と言うと分かりやすいかしら。
日本語の写真語彙はどうもスッキリしなくて紛らわしいと思うのだけれど、「増感現像」と「増感処理」ってわけて言えばいいのでしょうね。 だけれども、「増感処理(“sensitization”)」は普通、「硫黄増感」「金増感」「還元増感」などフィルムの製造過程で行われるものですし、「水素増感」などの後付の処理もあるけれど結構難しいし特殊だと思いますから、一般愛好家には関係ないと思っていいでしょう。天文写真をやっておられる方では、アマチュアでも水素増感などを実践されておられるようですけれどね。
ま、いずれにしても、普通に「増感」って言ったときには、「増感現像(“push processing”)」だと思っていいわけです。 これでハナシは単純になりました。

などという前置きはさておいて、どんなときに増感現像をするだろうかと考えてみましょう。
まず第一に、より早いシャッター速度が必要、あるいはより小さな絞り値が必要で、フィルム感度がそのためには足りない場合、でしょう。
例えば、ISO400のフィルムをカメラにセットし測光してみたら、絞り値がf1.4でシャッター速度が1/15秒と表示されたとします。 結構薄暗い状況ですよね。 レンズは開放f値が1.4だからこれ以上開けることは出来ない。 三脚を使える状況ではないので、1/15秒のシャッター速度ではカメラブレが心配。 でもまぁ、ダメもとで撮影しておきましょう。 そんでもって、普通の現像をする。
さて、同じ状況で、絞りf1.4、シャッター速度を1/60秒で撮影すると、測光値よりも2段露光不足になる。 現像時間を長くするとネガ上の濃度は通常の現像をしたときよりも上がる(濃くなる)から、画面の肝心の部分、例えば人物の肌とかの中間グレー部分の濃度が、先の測光値通りに撮影して普通に現像したネガと同じ濃度になるように現像時間を延長してやれば、その部分は同じグレーの濃さになるわけ。 これが増感現像、この場合は2段の増感現像をしている事になりますね。
普通の現像の方はフィルムの感度が400のときの測光値を元にしているから、露光指数(EI)は400。 増感現像の方は2段少なく露光している、つまり2段高い感度のフィルムとして扱っているから、露光指数(EI)は1600と言うことになります。 あくまでも、撮影時に2段感度の高いフィルムとして扱っている、ということで、現像によってホントに2段感度が高くなるわけではありません。
それはさておき、その結果、先の方、つまり測光値通りに撮影(フィルムに露光)して普通に現像したEI400のネガからは、シャドウからハイライトまでトーンは普通に整ったプリントが出来るはずです。 ただし、シャッター速度があまりにも遅かったのでカメラブレや被写体ブレがひどく、使い物にならない写真になってしまうかもしれませんね。
一方、測光値よりも2段少なく露光して、現像時間を延長した方のEI1600のネガは、もともと普通に必要とされるだけの露光時間を与えていないので、もともと暗いディープシャドウやシャドウ部分は十分にフィルムに光が当たっておらず、たとえ現像時間を延長したとしてもしっかり現像されません。したがってネガ上では非常に薄かったりすっかり素ヌケの状態で、プリント上では真っ黒になってしまいます。 また、ハイライトの方は現像を延長したせいでネガ上の濃度が上がりすぎてしまい、プリント上では白く飛んでしまうかもしれません。 つまりは、非常に硬調な状態ですね。
とはいえ、少なくとも人物の肌などの中間調付近は、ネガ上でもプリント上でも手頃な濃さになっていて十分に観賞に堪えますし、しかもシャッター速度もそれなりに速くしてあったのでブレもなく、シャープな写真になりそうです。

普通のフィルムで普通の現像液であれば、1段~2段の増感現像はわりと簡単に出来ます。 やり方も単純には、現像時間を長くする、あるいは現像温度を上げるだけです。
しかし、それによってあまり有り難くないことも起きて来ます。 ひとつには、現像時間を長くするとフィルムの粒状性が悪くなると言うこと。 もうひとつはネガ上のコントラストが高くなってしまうこと。 そして、先にも書いたように、増感現像は増感処理ではありませんから、露光が必要量より少なければシャドウ部分がちゃんと感光・現像されない、という事です。
粒状性が悪くなる原因をどう説明するのか、正直に言うとボクは仕組みをよく分かっていないのですが、多分、現像中にハロゲン化銀から変換された銀粒子の分布の不規則さが現像時間が長くなることで顕著になるからだと思うんだけど、とにかくまぁ、そうなると思ってくださいませ。
コントラストが高くなるのはこれまた致し方ないところで、現像時間を長くすると露光量の少ないシャドウ部分でよりも露光量の多いハイライト部分でより濃度が上がるからであり、なおかつ実際の感度は上がらないのに撮影時に感度の高いフィルムとして扱うわけですから、繰り返しになりますが、シャドウ部分がちゃんと感光・現像されないわけ。 ディープシャドウを基準にした実際のフィルム感度を無視しているわけですから当然ですね。

ちょっと極端な図式だけれど増感現像の様子(青が標準現像、赤が増感現像)
push002

というわけで、増感現像すれば、中間濃度付近は少ない露光量から引っ張り上げることが出来るわけですが、ハイライト方向は引き上げた以上に飛び上がってしまうので、いわゆる「白トビ」になりやすいのですね。
逆にシャドウ方向については、そもそも現像可能なまでにフィルムが感光していなければ、難しく言うと現像可能な潜像核を形成出来ていなければ、どうにも再現不可能ですから、これは諦めざるを得ません。
しかし、標準現像ではプリント上で見分けられるほどの濃度にならない部分が、なんとかまぁそれなりになってきますので、いくらかは見かけ上のフィルム感度も上がります。 難しいハナシをすると、本来は現像が困難なごくごく露光量の少ない部分(亜潜像)も長時間現像することでハロゲン化銀から銀に変換出来るそうなので、その分感度が上がると言えるのだけれど、同時に本来は現像されないはずの感光していないハロゲン化銀も現像されてしまう(カブリってやつ)のが有り難くないですね。

さて、このように、増感現像にはデメリットと言える部分、粒状性が悪化する、コントラストが高くなる、などがありますが、逆言えば、コントラストの高いネガが欲しいときにはやや露光不足にして現像時間を伸ばせばいいことにもなります。 これが現像によるコントラストの調整というわけ。 だけれどあまりやるとデメリットが顕著になるから考え物ですが、調整っていう範囲に留まらず、表現としてハイコントラストの画を得ることも出来るわけですね。
粒状性についても同様で、粒子の目立つ荒々しい写真はインパクトもありますよね。 そういうのが好きで増感現像する事も多いんじゃないかしら。 本来はデメリットになる現象を、表現の手段として有効に活かせればしめたモノ、ですね。

逆に、デメリットを避けたい場合で、撮影時の光量の不足が少なかったら、例えば1段分とかでしたら、露光不足のまま現像は普通通りの方がいい結果を得られることも多いです。 粒状性、コントラストはそのままですし、プリント時にやや少な目に印画紙を露光すれば、失うのはシャドウ方向の1段分のディテールだけで済みます。
夜の室内などでは点光源が多く、被写体のコントラストが高くなりがちですから、少しぐらいの光量不足なら増感現像でネガ濃度を稼ぐよりも、プリント時に調整してしまった方がいいかもしれませんでしょ。
例えば、高い撮影感度が必要で増感現像も良く行われる被写体の例として、ライブなどのステージ写真とかが挙げられると思うのですが、かなり高い確率で背景が真っ暗とか、かなり薄暗いですよね。
そうした場合、シャドウ基準感度を無視する増感現像域の撮影感度なら、どのみち得られないシャドウ濃度やディテールのために、必ずしも無理して現像を押す必要はないんですね。 重要であるミッドトーンを、プリント時にミッドトーンに出来る程度のネガ濃度まで現像すれば十分なわけで、それが通常のコントラストのネガでのミッドトーンよりネガ上で少々薄くてもほとんどの場合は問題がないはずです。 そして、そうすることでハイライトに無理を強いなくて済む事になります。
もちろん、これはプリント時のテクニックにかなりの部分を頼ることになるのですけれど。

実際の現像処理
少々の増感幅であれば、標準の現像に使っている現像液で、時間を長くする(または温度を上げる)だけで出来てしまいます。 ボクの経験では、富士写真フイルムやイルフォードのデータシートに記載されている増感現像での現像時間は概ね信頼出来ると思います。 ただし、そのメーカーのフィルムとそのメーカーの現像液の場合、って念のため付け加えておきますね。 富士のデータシートに載っているイルフォードの現像液での増感現像時間はあんまりアテにならなかった経験がありますもので。
もし、データシートに希望のフィルムと現像時間の組み合わせでの増感が載っていなかったら、かなりおおざっぱではありますが、いわゆる標準現像液の場合、現在の現像時間を1.5倍したくらいで1段増感になると考えてテストしてみるのがいいでしょう。 2段増感するには、1.5×1.5で元の時間の2.25倍です。 まぁはっきり言って、標準現像でのデリケートな階調コントロールと違い、増感現像では少々おおざっぱなモノだとボクは思ってますけれどね。
それでも、最低でも1回はテスト撮影・現像してから本番の撮影に臨みましょう。

増感現像用の現像液
ほとんどの現像液で、現像時間を長くすればいくらかは増感現像出来ますが、やはり増感現像に適した現像液、不向きな現像液というのはあります。
例えば、現像主薬がメトール単用の超微粒子軟調現像液(富士ミクロファインなど)は、現像時間の割に濃度が上がらないから不向きで、実用的なのはせいぜい1段くらいまでじゃないでしょうか。極端な例ですが、フェニドン単用の現像液(POTAなど)はさらに極端な軟調現像液だからさらに不向きでしょう。
メトールやフェニドンは単体で現像が可能な現像主薬だけれども、現像(ハロゲン化銀に電子を供給して銀に変換する)した後の酸化物が次の現像を妨げてしまうので、なかなか現像が進まないんですね(だから軟調になる)。
もうひとつの代表的な現像主薬であるハイドロキノンは単体ではほとんど現像出来ない(だからハイドロキノン単用のフィルム現像液というのは無い)けれど、現像で酸化したフェニドンを自分を酸化して元に戻してしまうため、組み合わせれば強力な現像液になって増感現像にも適格となります。これがPQ現像液ですね。
似たようなコンセプトでメトールとハイドロキノンを組み合わせたMQ現像液(代表的なのがD76)でも2段くらいの増感は充分こなせると思いますが、さらに増感するならPQ現像液の方が向いています。
一般にメトールよりフェニドンの方が実質的なフィルム感度を上げられる(露光量のより少ない部分から濃度を上げられる)からですが、これはメトールよりフェニドンの方がハロゲン化銀に吸着しやすいからではなかろうかと思います。 また、ハイドロキノンは酸化したメトールを還元するのにフェニドンのようにはいかず、時間が掛かるため、極端な増感現像となると時間が掛かってしょうがないからじゃないかと素人なりに想像します。

補完現像液
“Compensating Developer”と呼ばれる現像液も増感現像には適しています。 いちおう、”Compensating effect”を補完現像効果とボクは呼んでるので、こちらは補完現像液でしょうか。
補完現像効果というのは、現像中に現像液の疲労によって、現像の進んでいるハイライト部分では現像の進行が緩慢になり、シャドウ部分では活発な状態が続くという現象により、結果としてシャドウ部分の濃度を引き上げなながらもコントラストが高くなりにくいという仕組み。
この効果を得やすい現像液というのもやはりあって、ひとつには現像液が疲労しやすいと言うのが条件。また、高い希釈率で使用できる現像液というのも挙げられます。
一般的な製品では、アグファのロディナルが補完現像効果が高いと評価されていますが、感度を得やすいと言うよりシャープネスを上げられる(補完現像効果と同様の仕組みで発生する境界効果により)という点で言われています。
MQ現像液に比べればコダックのXTOLや富士のフジドールEなど、PCタイプ(フェニドン-ビタミンC)現像液は補完現像効果は得やすいと思います。
また、イルフォードのマイクロフェンは現像を押してもコントラストが上がりにくい現像液としてオススメです(手に入りにくくなっちゃっいましたが)。
いずれにしても、増感現像をするには、現像力がそれなりに強い現像液、MQやPQ、あるいはPCなどを使う方が良く、補完現像効果の高い現像液はデメリットをいくらかでも和らげる意味で、増感向きと言えます。
また、増感現像のデメリットとして粒子が荒れてしまうと言う事の対策という風に考えれば、 微粒子化効果のある現像液、pHがあまり高くない現像液というのが向いているでしょう。

より良い増感現像
先に書いたように補完現像効果というのが増感現像においても助けになりますが、その効果をより引き出すには使用液の希釈率を高めると同時に、現像時の攪拌を通常とは異なるサイクルで行うと良いです。
希釈した現像液を使い、攪拌と攪拌の間に時間をおくという方法は、標準現像ではシャープネスの向上のためによく用いられますが、増感現像をする際にも非常に有効な手段なので、是非ともトライしてみてください。
例えば、富士のフジドールEなどは、現像データを見ると原液使用、1:1希釈、1:2希釈といった使い方が書かれていますが、現像力が強いはずの原液での使用よりも、1:2や1:3といった希釈使用の方が、当然現像時間は長くかかりますがコントラストが上がりにくく、シャドウのディテールも案外得やすいのです。
1:3希釈で、さらに攪拌の間隔を長くすると、より効果を実感しやすいと思います。 例えば、通常ですと1分ごとに10秒の攪拌をするところ、全体の現像時間を1.5倍程度に伸ばして、3分ごとに10秒の攪拌といった方法をとる事も出来ます。
攪拌については、こちらのページを参考にして下さい。

増感現像の妥当性の検証
一般的な撮影と現像では、ゾーンシステムでのテストやリングアラウンドテストのような方法で、撮影時の露光やフィルム現像はかなりの部分検証できますが、ゾーンシステム的なフィルムの実感度や階調幅の発想が役に立たない増感現像では、シャドウディテールはかなりの部分諦めざるを得ませんし、ハイライトが飛んでしまうこともやむを得ません。
そのため、露光量x現像量=フィルム濃度の妥当性の判断において困惑してしまうことがあります。 撮影感度の基準になるべきディープシャドウも、現像量の基準になるべきハイライト濃度も標準から大きくはずれてしまうからです。
また、一般的なプリント方法では、どうしても救済処置的な手順に頼ってしまいがちなため、肝心の中間調のネガ濃度が果たして適切なモノかどうかが分かり難いのも確かです。 つまり、増感現像であるが故に多くの場合、こんなもんだろうという妥協で判断されてしまい勝ちなのです。
そこで、増感現像の検証にも最短時間最大濃度法を用います。

最短時間最大濃度法」というのは、未露光のまま現像だけした素ヌケのネガをプリントし、印画紙の最大濃度を得られるもっとも短い露光時間をもちいたテスト方法の事です。
くわしくはこちらのページをご覧下さい。

特にここでは実践的に、素ヌケのコマによるテストで得られた最大濃度を得られる最短露光時間でプリントし、どう見えるか、から判断します。 増感現像では素ヌケのコマの濃度がカブリによって濃くなりがちですから、かならず実際に増感現像したフィルムの素ヌケコマを使って露光時間をテストしてください。標準現像ネガの素ヌケコマを代用するような手抜きはダメです。
低照度下で撮影されるのが当たり前の激しい増感現像では、画像中にも素ヌケの部分が必ずと言っていいほど存在します。 発想としては、そこがもっとも濃い黒となるまで印画紙に露光する、というよりも、そこがもっとも濃い黒になるだけしか露光しない、つまり無駄に多く印画紙を露光しないという狙いです。その事により、ネガ上にある貴重なディテールや中間調のネガ濃度を無駄にすることが無いのです。
また、その露光時間でのプリントで中間調前後が適正な明るさのグレーになっているかどうかを見れば、あれこれプリントをやり直したりせずともネガ濃度の妥当性が分かります。
また、実践的な被写体を段階露光したネガを用意し、同様の方法でプリントすれば、設定した撮影感度に対して行ったフィルム現像が適正であったかどうかと同時に、適正となる撮影感度も知ることが出来ます。
例えば、撮影感度をEI3200として3分の1段ステップで段階露光したネガがあり、最短時間最大濃度法によって決めた露光時間で全てのコマをプリントしたとします。 プラスマイナス0EVのコマがもっとも適切な中間調を持っていたら、その現像は適正ですが、例えば測光値からプラス2/3段補正で撮影したコマが適切だったなら、その現像時間はEI2000に対しての適正現像として、今後の撮影に活用出来るわけです。 現像時間を変えて何パターンか同様のことを行えば、とあるフィルムと現像液の組み合わせについては、ほとんどの増感域での撮影感度と現像時間のデータを作成することが出来るでしょう。
このように、段階露光したネガを一定の条件、つまり最短時間最大濃度法でプリントする方法は、極端な増感現像だけでなく通常の撮影感度域でのより実践的な現像テスト方法としても有効です。 特に増感現像では、ゾーンシステム的なシャドウ基準実感度というものが意味を持ちませんから、この様な中間調基準によって撮影感度と現像時間の組み合わせを見出していくのが特に効率的なわけです。

もちろん、増感現像でもゾーンシステムの応用は可能です。 とある撮影感度と現像時間の組み合わせにおいて、ダイナミックレンジがどの程度あるかを把握しておくことは、撮影の精度をあげるために非常に役にたちますし、純粋な中間グレーではなく、例えばスポット測光した人物の肌を印画紙上のどの明るさに置き換えるかと言った、ゾーンシステムそのものの実行も可能です。 ダイナミックレンジが狭い増感現像ではプリント時の救済余地があまりありませんから、通常の撮影・現像に比べてもなお、そうした緻密な露光量のコントロールが極めて重要だと言えます。

0015sスポットライトの下で行われている雑伎団のステージを、撮影感度1600にて。最短時間最大濃度法でストレートプリントしたものです。
この様に背景が極端に暗くて詳細がない写真、増感現像を行うようなシチュエーションでは多く見られるケースですが、こうしたネガのプリント作業においては、判断基準に出来るディープシャドウのディテールが一切無いため、中間調を基準にする一般的なプリント方法では黒の濃さの妥当性を見失いがちです。
最短時間最大濃度法による印画紙の最大黒を基準にして、中間調が適正となる感度設定とフィルム現像、そして撮影時の正しい測光が大切になってきますが、日頃から最短時間最大濃度法に慣れ親しんでいればどうという事もありません。